ミストコインとは?
今日、イーサリアムブロックチェーン上には数多のトークンが存在し「Shit coin(クソコイン)」などと呼ばれています。それらの中には、コミュニティ内の何かしらの機能を有しているものもあれば、プロモーションがうまくいって有名になったコインも存在します。現在もなお毎日のように新たなコインが誕生しています。
MistCoin-ミストコイン-は2015年に11月3日にデプロイされ、ERC-20トークンのプロトタイプにあたります。私にとってはNFTアートと同様にコレクターズアイテムとしての価値があります。日本語での情報が皆無のため、ここにまとめておきます。
いつ誰によって作られたのか?
MistCoin-ミストコイン-は、2015年11 月にイーサリアム界のOG(オリジナルギャングスタ/レジェンド)であるFabian VogelstellerとAlex Van de Sandeによって作成されました。元々のアイデアは、イーサリアム上のMistブラウザで新しいカスタムトークン機能をデモンストレーションすることだったようです。
Fabian VogelstellerはイーサリアムのファウンダーであるVitalik ButerinとともにERC-20トークン標準を提案した人物です。またAlex Van de Sandeは後に登場するENS(イーサリアム・ネーム・サービス)のファウンダーです。
MistCoin-ミストコイン-の総供給量は1,000,000(1ミリオン、百万個)です。
作成後に巨大掲示板サイトReddit上で発表が行われ、リクエストに応じてMistCoin-ミストコイン-が配布されました。2015年11月3日、当時の書き込みを現在でも見ることができます。
コレクションするには?
'approve' functionと呼ばれる「承認」機能がないため、現在一般的なERC-20標準に準拠していません。そのため私たちがMistCoin-ミストコイン-をコレクション・取引するためにはラッパーコントラクトを通す必要があります。言い換えればラッパーコントラクトを通したものを購入するしか術はありません。
それを「Wrapped MistCoin-ラップトミストコイン-(WMC)」と呼びます。
コントラクトアドレス :
0x7Fd4d7737597E7b4ee22AcbF8D94362343ae0a79
Uniswap :
https://info.uniswap.org/#/pools/0xf44876dbfa10609fcdd68cb4122c3a6e1d4acd8f
Dextools :
https://www.dextools.io/app/en/ether/pair-explorer/0xf44876dbfa10609fcdd68cb4122c3a6e1d4acd8f
上記、開発者であるFabian Vogelsteller氏による2018年2月23日のツイートを見つけました。
イーサスキャンでWrapped MistCoin-ラップトミストコイン-(WMC)の中身を見てみると、2023年12月9日時点で供給量が223585しか無いことに驚きました。
つまり総供給量の約80%はラップされずに開発者の手元にあるか、誰かの手元で眠っている、忘れ去られている、失われてしまっている、ということを意味し、さらに希少性を押し上げることと同義に感じます。
ここで注意したいのは、MistCoin-ミストコイン-はイーサリアム上で「最初」の代替可能なトークンではないことです。Linageeと呼ばれるトークンがイーサリアムが生まれた1週間後にコントラクトを展開しましたが、何らかの理由でプロジェクトは継続できなかったようです。
まとめ
つまりMistCoin-ミストコイン-は、ERC-20トークン標準を提案した人物によって作られた、イーサリアム上に存在する最古のトークンの一つであり、現在のERC-20の基礎を作ったものであると言えます。
当然ながらこの記事はファイナンシャルアドバイスではありません。ご自身で深く調査されることをお勧めします。