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CryptoPunks V1 と V2:切り離せない二つの顔とクリプト原理主義者の視点

 

CryptoPunks(クリプトパンク)は、NFT(非代替性トークン)の歴史を語る上で欠かせない存在です。でも、その中には「V1」と「V2」という二つのバージョンがあって、それぞれにユニークなストーリーがあります。このコラムでは、V1 と V2 が何なのか、なぜ一部の「クリプト原理主義者」が V1 を支持するのか、そしてなぜこの二つを完全に切り離すのが難しいのかを、分かりやすく説明します。

 

CryptoPunks V1 とは?

CryptoPunks V1 は、2017年6月に Larva Labs がイーサリアム上に初めて作ったNFTプロジェクトです。10,000個の8ビット風キャラクターが特徴で、NFTの「元祖」とされています。でも、大きな問題がありました。コントラクト(プログラム)にバグがあって、購入者がお金を払った後に戻せてしまうんです。これじゃ取引にならない!ということで、Larva Labs は V1 を「失敗作」とみなし、数週間後に改良版の V2 をリリースしました。

それでも、V1 は消えませんでした。2022年、熱心なコミュニティ(@frankNFT_ethが中心となって)が「ラッピング」という方法でV1をERC-721形式に変換し、取引できるように復活させたんです。今では「歴史的な遺物」として、独自の市場で愛されています。

 

CryptoPunks V2 とは?

一方、CryptoPunks V2 は、V1 のバグを直した「公式版」です。2017年7月に登場し、V1 の持ち主に無料で配られました。見た目は V1 と全く同じ(同じ画像データを使っている)だけど、技術的に安定していて、市場でも圧倒的な人気を誇ります。2022年には Yuga Labs(Bored Ape Yacht Club の会社)が引き継ぎ、商業利用権やマーケティングで「クリプトパンクの王者」に押し上げました。今や NFT のメインストリームとして、多くのコレクターや投資家に支持されています。

 

V1 と V2 の共通点と違い

面白いことに、V1 と V2 は画像データとしては同じものを使っています。10,000個のパンクが並んだ1つの巨大な画像ファイルが元で、その「ハッシュ」(データの指紋)が両方のコントラクトに記録されています。つまり、パンク #1234 の見た目は、V1 でも V2 でもピクセル単位で一緒。でも、違いは「コントラクト」と「ストーリー」にあります:

V1 : バグだらけの「最初の試み」。コミュニティが復活させた「野生の果実」。
V2 : 改良された「公式版」。企業のパワーで磨かれた「王道ブランド」。

2021年8月には、V2 を中心に「CryptoPunksData」という新コントラクトで画像データがオンチェーン化され、オフチェーン依存が減りました。でも、元の画像ファイル自体は Yuga Labs のサーバーに残っていて、完全オンチェーンとは言えません。V1 もこのデータを間接的に参照するので、見た目の源泉は同じままです。

 

クリプト原理主義者が V1 を支持する理由

「クリプト原理主義者」とは、ブロックチェーンの「分散型」や「自由」の精神を強く信じる人たちです。彼らが V1 を支持する理由は、こんな感じです:

1. 歴史的な純粋さ
V1 は NFT の「最初の一歩」。企業の手が入る前の、荒削りで本物の実験だと感じるんです。V2 は改良されたけど、「公式すぎる」と見る人も。

2. 企業の介入がない
V2 は Larva Labs や Yuga Labs にコントロールされていますが、V1 はコミュニティが自力で復活させたもの。中央管理を嫌う原理主義者には、V1 が「クリプトの魂」に近いんです。

3. レアな反逆者
V1 は「忘れられた失敗作」が復活したストーリーを持ち、ニッチな魅力があります。メインストリームの V2 より、「知る人ぞ知る」感が強い。

推測ですが、こうした原理主義者(ガチ勢)は暗号資産コミュニティ全体の1~5%程度だと思います。彼らは少数派だけど、V1 を「本物のクリプトパンク」と主張します。なぜならブロックチェーンに刻まれた「タイムスタンプ」や「検証」が示す透明性こそが、この世界を愛する理由だからです。

V2 が V1 を切り離せない理由

両者には依然大きな価格差があり、公式版のV2ホルダーから見るとV1は不都合な事実かも知れません。たとえV2 がアップデートを重ねて「完全オンチェーン化」しても、V1 を完全に切り離すのは難しいです。なぜでしょうか?

1. 技術的には可能でも…

V2 が新しい画像データを作り直して V1 のハッシュを捨てれば、データ上は独立できます。でも、10,000個分のデザインを新しくするのはコストがかかるし、既存の V2 ファンから「別物じゃん!」と反発されるリスクがあります。

2. 歴史は消せない

V1 は「CryptoPunks の起源」。V2 がどんなに進化しても、「最初は V1 だった」という事実は変わりません。たとえ見た目が変わっても、V1 の「遺跡」としての価値は残ります。

3. 市場とコミュニティが独立

V1 はラッピングで独自の市場を持ち、原理主義者やコレクターに愛されています。V2 が「これが本物」と主張しても、V1 のファンは「いや、こっちがオリジナル」と言い続ける。市場でも V1 は独自の価格で取引され、V2 に依存しません。

4. ストーリーの共存

V2 が「成功した王者」なら、V1 は「不都合な果実」。この対比が、逆に両者を切り離せない絆にしています。V1 がなければ V2 の物語も薄れるんです。

 

結論:お互いを嫌う必要はない。V1 と V2 は切り離せない双子

CryptoPunks V1 は NFT の荒々しい始まり、V2 は洗練された成功者。画像データは同じでも、ストーリーと魂は別です。クリプト原理主義者は V1 に純粋さと自由を見出し、V2 を企業の手垢がついたものと見る。でも、V2 がどんなに進化しても、V1 を「なかったことにする」のは無理。技術的に切り離せても、歴史とコミュニティが V1 を生かし続けるからです。

この二つは、まるで双子みたいに共存する運命。あなたは「歴史の V1」派?それとも「王道の V2」派?どちらを選ぶにしても、CryptoPunks の魅力は、この二つの顔が織りなす物語にあるのかもしれません。

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